読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Dailyscape Fragments

今は「ユーリ!!! on ice」の話ばかり。普段はお笑いやフィギュアスケートの話など。ちらかっててごめん。

Twitter ID: saenishi

フィギュア採点のナゾ(3) 回転不足の扱いはどうして厳しいのか

フィギュア

ちなみに今回の話でいう「回転不足」は、回転が1/2足りないダウングレードではなく1/4足りないUR(Undar-rotated)です。

前回も書いたとおり、バンクーバー五輪の頃は回転不足判定がもっと厳しかった。

昔書いた自分の記事から引用しますが*1

1)なんとか回ったけど着地でぐらっと手を突いたジャンプ
2)一見綺麗に着氷したけど、回転が4分の1以上足りてないジャンプ
だと、2)の方が減点されちゃうわけです。

 もっと言えば、回転が足りていれば、転倒してもある程度点数が出る。
これをしっかり把握して対応したのが羽生選手ですが、金メダリストにふさわしくない、といった意見もあるようです(採点への抗議、とかではなく意見。某国のふるまいと混同しないようにしてくださいね)。

羽生君は本当にすごいと思う一方「転倒しても点が出るのに、綺麗に降りた回転不足は基礎点もGOEもマイナスする」はやっぱり変だなあと思います。
そして転倒覚悟で跳んでくる羽生君の怪我が心配。

そう「なぜこんなに回転不足を厳しく扱うのか」については「選手を怪我から守るため」だとよく聞きます。

回転が足りないということは、無理な姿勢で着地するということ。
これは選手にとってはとても危険で、怪我にもつながる。
だから、見かけ上はたいしたことなくても厳しい減点をする。
…という主旨(特定の一人が言っているのではないため、引用は割愛します)。

それでもバンクーバーの「3回転の回転不足は、2回転失敗したことにして、更にGOEをマイナスする」というルールが厳しすぎる(つまり全部現在のダウングレード扱い)、というのはソチに向けて是正されました。
つまりやっぱり、厳しすぎると思ってる人が多かったってこと。
こんな素人でもおかしいってわかるルールを最初に決めたの、どういう経緯なんだろうね…。というのはキリがないので一旦置いといて。

そりゃ確かに、選手に怪我なんてしてほしくない。
厳しいことは仕方ない…と、以前は私も思っていたんだけど。

なんかやっぱり、おかしいんじゃないかと。
ここからは、回転不足でのGOEについての最近の意見です。

(1)「採点で教育する」ことにあんまり意味がない

もし自分がスケート選手だとして。
「回転不足のジャンプは、無理な姿勢をとるため怪我につながるんだよ」
と教えられたら、どうしますか。
…気をつけられる範囲で気をつけますよねえ。
怪我したくない、なんて、選手が一番思っていることでしょ。
採点で減点するから、なんてまどろっこしい理屈いる?
「○○したらエサを減らすよ」って動物の調教じゃないんだからさ。

さて。回転不足は怪我をする可能性があり、しかも試合で減点されると知った選手は、どうするでしょうか。
回転不足になるジャンプって、結局のところ習得中のジャンプだよね。
3Lzが跳べず、回転不足になるとしても、練習中は一生懸命トライするんじゃないですか?
練習でトライし続けることで、クリーンな回転になる確率を上げ、試合でも決まるようにしていく。

つまり試合だけ回転不足を減点したって、練習中は回転不足を繰り返しながら上達するしかないのでは。
まあ、中には減点されるなら跳ばないって特殊な選手もいますが、これもちょっと置いといて。

(2)点数バランスとして減点度合いがおかしい

これは前回も書いた話。
基礎点を、回転が足りた場合の70%とする、というのはそこそこ妥当なんじゃないかと思います。
でも、そこからGOEを更に引く、ってのはおかしい。
回転不足の結果見栄えが悪くなった、ならまだわかるけど、一見クリーンに跳んだ流れのあるジャンプでも、回転不足というだけで(基礎点を下げられた上)GOEをガツンと下げられるのは変でしょう。

クリーンに跳んだ3Lzは基礎点6.0。これが回転不足だと基礎点4.2、更にマイナス評価を-1でもつけられると0.7点減点されて、3.5。2.5点も下がってしまう。

ちなみに構成要素の一つ「コレオシークエンス(ChSq1)*2」の基礎点は2.0。

この要素を満たすより大きな点が、回転がわずかに足りないだけでも減点される。(1)で書いたように「選手への警告」があまり意味がないなら、厳しすぎでは。

(3)選手がどう評価されたかわからない

そしてこのGOEが厄介なのは、加点と減点を合わせて評価をつけるということ。

たとえば3Lzで回転不足だった場合、4.2点。
出来栄えについては+2(1.4点)、回転不足について-2(-1.4点)だったら、プラスマイナス0になる。

プラスが何点、マイナスが何点かわからないのです。

採点は、選手が今後の練習の参考とする道標のはず。
でも、上の例のようにGOEは0点、だけつけられたってよくわからないじゃん。

出来栄えが+3、回転不足で-3だったのか?
出来栄えは+1、回転不足で-1だったのか?

回転不足から来る減点は○点、ってはっきりすべきでしょう。

別記事で書くけど、ジャッジング自体はとても難しい。この点、同情というか仕方ないなと諦めざるをえない部分がある。

でもこれは、ジャッジが別々に点数つける方が楽では?


上記にあげた疑問点は、判定がグレーな場合ほど大きな問題になります。

続くー。

 

よかったらクリックしていって下さーい。
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村


 

*1:

バンクーバー五輪女子フリー:採点方式への不満〜ダウングレード厳格化の謎 - Dailyscape Fragments の、「●ダウングレード厳格化の謎」のあたりです。

*2:コレオシークエンスについてはフィギュアスケート研究所(個人サイト)さんに説明があります