Dailyscape Fragments

今は「ユーリ!!! on ice」の話ばかり。普段はお笑いやフィギュアスケートの話など。ちらかっててごめん。

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フィギュア採点のナゾ(4) 微妙な回転不足判定は「疑惑」の温床

回転不足判定については
「回ってるよ!」
「回ってない。」
で結局意見が分かれてしまい、水掛け論になる光景がよくあったりするわけですが、この記事ではそういう心配はないよ!
なぜなら、私は回るとか回らないとか全然わからないから、自分の判断を交えた説明はできないからね!(ドヤッ)

…ま、私のこのフィギュア関連の文章は基本、そうです。別にスケート経験者でも、長年競技をじっくり見てきたスケオタでもない。最近見始めた人よりは長く関心を持ってはいるけど、全然追いかけられてないライトファンですので。

ポジティブな言い方をすると、その分客観性の高い話になっている…ことににしておこう。

今日の本題。

フィギュアで、ジャッジが判定をする際の手引きとして「ISU テクニカル・パネル ハンドブック(日本語版)」というものがあります*1
これの13ページに「着氷時の3/4回転の基準」についての説明があるのですが、こう書かれている。

「すべてのはっきりとしない場合には、テクニカル・パネルはスケーターの利益になるように務めるべきである」

これが基本的な理念、なわけです。

…えぇー?って思うよねえ。

TV中継で解説者が「これは回ってると思うんですが…どうでしょうか」
って言ったあと点数が出て「回転不足を取られてますね」

――よくある光景。

最近、注目を浴びた回転不足判定はグランプリ・ファイナルSP、浅田選手の3A。
本人も演技終了直後は会心の出来!って本当に嬉しそうな表情だったけど、回転不足を取られました。それでも優勝しちゃったけどさ。

このときは、テクニカルパネル3人*2のうち、天野真氏と、韓国人のイ・ジヒ氏がいたことで、騒ぎが一層大きくなりました。
知らない人向けにざっくり書くと、
天野真氏:回転不足判定が厳しいと評判。浅田選手は以前にも厳しい回転不足を取られたことがある。審判紹介の時「天野帰れー!」と叫ぶ観客が出たことも
イ・ジヒ氏:「キムヨナが不利にならないようにしたい」と発言 。バンクーバー五輪の女子シングルでも審判を担当した。
この二人の話については、天野氏のジャッジ状況について検証したことがないし、イ・ジヒ氏のコメントはソースがハングルで調査が難しいので、ひとまずこの辺で。

このジャンプについて、少なくとも一般人ではなく専門家はなんといっているか。

Blogosの記事「浅田真央が突いた評価論の本質」に、海外の放送の様子について書かれています*3

初日に行われたショート・プログラムの演技。浅田真央は、見事にトリプルアクセルを飛び切り、誰がみてもパーフェクトな演技を披露した。日本のアナウンサーのみならず、イギリスやイタリアの放送でも誰もが完璧にトリプルアクセルを飛んだと絶賛していた。

外国の放送でも絶賛されていたと。

次に、スポーツナビでの澤田亜紀さん解説。

選手時代、素晴らしいジャンパーだった澤田さんは、とても丁寧に技術解説をしてくれます。
たとえばGPファイナルフリーの解説

最初のトリプルアクセルの転倒は、着氷はしましたが頭の位置が外にありましたね。きれいにジャンプを着氷したときのように、お腹を少しだけ折るような姿勢でなく、脇腹を折るような姿勢で下りていました。ジャンプの着氷は右足のアウトサイドに乗りながら円を描くように着氷をするのですが、足は右外側に体重が乗っているのに、頭は左側に寄ってしまうと、頭の方が重いのでバランスが傾いてしまいます。


では、問題のGPファイナルSP、3Aについての解説は。

浅田選手のトリプルアクセルですが、回転不足にはなりましたが、踏切時につま先まで力が伝わり、着氷後もスピードがあるジャンプでした。

うーん、何がダメだったか全く言っていない、ですね…。

テレビで解説を担当する人は大抵、元選手です。
細かく言えば、ジャッジではない。
ジャッジの判定の方が、厳密な場合はもちろんあるでしょう。
(上の澤田さんの解説で「回転不足にはなりましたが」とあるのは、ジャッジの判定はもちろん受け入れるという表れかと思います)

でも、元選手である解説者が「完璧だ!」というジャンプって「はっきりとしない場合」じゃないの?
今回、浅田選手も

「私自身すごく良い感じで跳べていますし、あまり気にはしていません」と演技後のトップ3会見で気持ちを明かすと、「明後日も回転不足を気にせず、自分がやってきたことを信じればうまくいくと思います」

真央「回転不足は気にしていない」|コラム|フィギュアスケート|スポーツナビ

とコメント。失敗したと感じていなかった様子。

ここでもう一度前回の話を蒸し返します。

こんなに回転不足を厳しく扱う理由が「選手を怪我から守るため」ということ。


これは、いちゃもんではなくて本当に知りたいんだけど。
選手が綺麗に降りた!と感じ、元選手が「完璧だ!」と賞賛するジャンプ。
これは、本当に回転不足判定をするべきジャンプなの?
着氷後もスピードがあったと澤田さんも言っているし、怪我の原因となるような負担はかかっていないのでは。

一方で「これは回転不足じゃない?」と素人でも思うようなジャンプが、回転していると認められることもある。

つまり結局、微妙なジャンプは「どっちとも言える」ってこと。GOE加減点も含めて。

以下は1から4が赤~茶色のカラーグラデーションになっています。

■1■■2■■3■■4■

赤はOK。茶色はNGだとします。
ある人が言う。2は赤。3は暗い赤。4が茶色。
違う人が言う。3は茶色。2は赤茶色だから茶色の仲間。
3でもOKとしてもらえることがある一方、2を茶色だからNGとされる。

一人の選手のジャンプが毎回違う判定の仕方になるのは、困る。
それ以上にある選手は回転不足を取られ、別な選手は取られないのは、もっと困ります。

ジャッジによって厳しさが違うのは、人間がやる以上仕方ないところはある。
でもこの曖昧さは、万一公正でないジャッジがいたら、不正利用されてしまう。

個人的にはこれは、現在匿名になっているジャッジを公表して、ジャッジたちが腹をくくって説明するしかないと思う。
もちろん、今の試合の流れではそんな時間は取れない。
でもたとえば
「世界選手権だけ、試合終了後に採点・判定詳細を公表する」
だったら別にできるでしょ。

具体的な判例があれば、選手達だって自分の演技を改善しやすくなるはず。

そして採点・判定がおかしいジャッジは糾弾されることになるから、不正行為へのプレッシャーになるはず。

で、現在匿名になっていることについては、一応大義名分があるんだけどね。
この話はまた次回。

うーん、世界選手権見に行くまでにこの愚痴終わらせたかったんだけどなー。
無理かもなー。

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*1:SU作成の同ハンドブック(英語)を日本語化したもの
http://www.skatingjapan.jp/data/fs/pdfs/comm/hb2009-single2009j.pdf

*2:回転不足判定を行う技術審判

*3:書き手はフィギュアの専門家ではなく、評価論が専門の大学教授。今回の話と少しずれるけどこの記事興味深い