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Dailyscape Fragments

今は「ユーリ!!! on ice」の話ばかり。普段はお笑いやフィギュアスケートの話など。ちらかっててごめん。

Twitter ID: saenishi

フィギュア採点のナゾ(5) なぜ浅田選手は「左利き」を「右利き」にするようなチャレンジをしなければならなかったのか

次回、ジャッジ匿名の話を、って書いたんだけど、まだそこまでたどり着けない模様です。後ほど…

一旦GOEの話に区切りをつけよう。

ナゾ(2) で示したように、浅田選手はGOEが伸びなかった。
回転不足を取られたのが3F+3Lo(GOE 0点)、2A+3T(GOE 0.14点)。
エッジエラーを取られたのが3Lz(-0.60)。

(ちなみにこのエッジエラーも、微妙な判定が多くてもやもやするし、得点に対する減点割合が大きすぎるのが気になっています。まあGOEの話とほぼ同じ説明になるので割愛)

それでも、他に要素はあと9つあるわけですが、平均して点数が渋い。詳しくはスコアでどうぞ(←表組に飽きたらしい)

ジャンプについては「流れがあるかどうか」「飛距離があるかどうか」という話がよくある。浅田選手はこの指標で評価されないため点数が伸びないのだと。

この点、私はずーっと納得いかないでいる。

GOEの加点要件は以下。出典がわからないので、あとで補完します。

1) 予想外の / 独創的な / 難しい入り
2) 明確ではっきりとしたステップ/フリー・スケーティング動作から直ちにジャンプに入る
3) 空中での姿勢変形 / ディレイド回転のジャンプ
4) 高さおよび距離が十分
5) (四肢を)十分に伸ばした着氷姿勢 / 独創的な出方
6) 入りから出までの流れが十分(ジャンプ・コンビネーション/シークェンスを含む)
7) 開始から終了まで無駄な力が全く無い
8) 音楽構造に要素が合っている

以下、疑問点。

■「流れが十分」は8つの中の1つにすぎない

確かに重要な要素だと思う。でも強調されすぎているのでは。
メディアはどうしてもライバルキム選手との比較をしたがるので「キム選手のジャンプには流れがあります(それに比べて浅田選手は流れがありません)」という論調にする。でも、本当にここまで(回転不足以外の)差がつくなら、他の要素でも劣ってるのでなければ説明がつかない。

■「飛距離」だけを問うのではなく「高さおよび距離」のはず

同じく、キム選手が飛距離で滞空時間を稼いでジャンプを跳ぶ選手であることから強調されすぎている。
もともと浅田選手のジャンプは、上に高くあがり、速く回転するタイプのジャンプ。飛距離を使うジャンプはスケーティングスピードを上げることで出せるようになっていくけど、高く上がって速く回る、というのは逆にセンスが必要なジャンプ。そして上に力が向けば、飛距離はそこまで出ないジャンプになる。

フィギュアスケートはたとえば陸上100m走みたいに「速くゴールしたら勝ち」ってわけにいかないので、ルールが作られる。これは当たり前のこと。
でも今、少なくともテレビ観戦レベルの観客には全く伝わってこない、暗黙の指標みたいなものがある。
それが、極端な飛距離重視。

別に飛距離があるジャンプを評価してもよいですよ。
でも、高く上にあがり高速回転して降りてくるジャンプだって素晴らしいのでは?

結局誰かが決めた、そういう流れを作ったということなんだと思う。
たとえば。
「高く上にあがり、余分な飛距離を取らないのが良いジャンプだ」
という考え方だってできるよねえ。

勘違いしてほしくないのは、ルールを決めるなと言ってるのではない。
明文化してない暗黙の指標を勝手に作るなといいたい。

浅田選手はバンクーバー以降、スピードを出して流れのあるジャンプを目指してきた。基礎から3年かけて見直して。
佐藤コーチはそのチャレンジを「左利きを右利きに直すような、普通なら取り組まないこと」だと説明している。

もちろんスピードのあるスケーティングはそれはそれで素晴らしいけど、もともとの浅田選手のスケーティングも、違うタイプの高品質だったんじゃないだろうか。

高品質なのに、なぜかGOEが伸びない。
じゃあ伸びている選手と同じタイプにしよう、と考えたのだと思う。

でも、本当はとても危険な賭けだったんじゃないだろうか。
1年目は前に飛べたジャンプも全然飛べなくなっていた。
3年間は決して短くない。挫折していてもおかしくなかった。
浅田選手じゃなかったらきっとできなかった。

 

やっぱり、試合終了後でいいから採点詳細をちゃんと出してほしい。


■スムーズな「入り」になっても点数が伸びない

NHKスペシャルで、ジャンプに入る姿勢が沈み込んでいたのを修正した話をやっていた。沈み込むことが「スムーズなジャンプでない」とみなされる、ということだった。
(3Aより全然簡単なジャンプを跳ぶキム選手が比較対象だったのはご愛嬌でしたが)
ソチフリーの3A。
え、SPで不調だったから2Aにしたの?とびっくりするような、沈み込みのない入り姿勢!

で、GOE何点だったと思います?

…0.43。

えー、つまりですね。

GOEの得点が伸びない

他の伸びている選手との違いを分析

普通はしないような努力をして違いを克服してしまう

という浅田選手なわけですが、相変わらず、GOEは渋いまま、なのです。


わ、私別に、陰謀論とか信じたいわけでは決してないんですよ。
ジャッジングシステムは、特定のジャッジの意向だけが反映されるようなことは避ける仕組みがあることも理解していますし。

ただ、回転不足のルールを受け入れてもなお渋いGOEについては、理解不能。
陰謀ダー!って叫ぶ方がいっそ楽だなあ。

 

書くパワーがないので割愛するけど、スピンやステップの加点も、どうして他の選手より伸びないのかは同様に不思議で、理由はわかりません。


そんなわけで世界選手権も、GOEはきっと期待できないと思います。

あ、でも突然はねあがることもありえなくはないかな。そうなると本当に…(以下割愛)

 

次回、 ジャッジ話にはまだ進めなくてPCSについて。

そして世界選手権が始まっちゃうので、続きはその後かなー。

 

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