Dailyscape Fragments

今は「ユーリ!!! on ice」の話ばかり。普段はお笑いやフィギュアスケートの話など。ちらかっててごめん。

Twitter ID: saenishi

マメ知識:フィギュアジャッジ匿名制の理由と効果

昔から関心がある人には既知の情報だと思うんだけど、この前提を知らずに混乱している人もいそうな感じなので、書いてみようと思います。
あ、途中からは私論になりますのでご注意を。

まず、こちらの記事。

フィギュアの採点改革に効果なし | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト


これ、2010年のバンクーバー時代の話。このときから話はあんまり変わってないということです。

記事内容をざっくりまとめますと。

・話は02年のソルトレークシティー五輪での「ペア不正採点問題」までさかのぼる。審判員が得点を操作し、ロシアのペアを優勝させたとされる(大会中にそれが発覚して、銀メダルだったカナダのペアにも金メダルが与えられた)。

・ある大学教授が「フィギュアの採点にはえこひいきと票取り引きがまかり通り、この騒動は氷山の一角だ」と主張している。
不正のひとつは母国偏重得点、もう一つは各国間裏取引。

ソルトレークシティー五輪およびそれ以前での試合の問題を受け、国際スケート連盟は採点方法を変更した。それが匿名採点(後述します)。

・しかしこの結果、同教授の調査によると母国びいきが悪化した。

・改善策としては「スキーの審判を参考にする」「匿名採点を維持しつつ、採点の不正調査を行う者には記名データを公表すべき」

ということです。
匿名採点がなぜ裏取引を防止するかについては、この後の話のベースになるので本文を引用しておきますね。

各審判員の採点が公表されない匿名採点によって裏取引が抑制される、という考えに違和感を抱くかもしれない。

 だが匿名採点では、裏取引で約束したとおりの得点を本当に付けてもらえたのか、確認することが困難だ。狙いはそこにある。個々の審判員と実際に採用された得点を結び付ける証拠はなく、9人の審判員は「自分の得点は採用されなかったようだ」と主張できる。パートナーが本当に高得点を付けてくれるのか確認できないのでは、裏取引もやりにくい。

 

という意図で、匿名になったということです。

えーっと、まずいいたいのが。

裏取引をやりにくくするために匿名にしたら母国びいきが悪化しました。ってさ。

誰 で も 想 像 が つ き ま せ ん か。

もし本当に誰も気づかなかったのなら、そいつら全員辞めちまえよ。バカすぎんだろ。
…さすがにそんなことはないかと思うので、いろいろ利害関係が働いたんですかねー…あはは。

ともあれ、
・現行での匿名採点には「裏取引を抑制する」意図がある
・しかし「自国選手は贔屓できる」という大きな穴が空いている*1
ということは理解する必要があります。

ちなみに昨今の事情からすると「自国選手だけ」なんて単純な力関係ではないですよね。
今や指導者や振付師と選手の組み合わせは入り乱れている。

「ある選手の振付師を務めた人が現役だった頃指導を受けていた人」がジャッジだとしたら、かつての教え子が振付をした選手にメダルを取ってほしい、という気持ちはありますよね。
逆に、関係が悪くなってしまうことだってある。「現役時代ライバルでいろいろ気に食わなかった選手が今指導している選手」には、ネガティブな気持ちが生まれる。
そして、純粋に、演技が好みだからと海外選手に肩入れしているジャッジだっている。

それから、ジャッジが好きな/嫌いな選手にだけ関係するわけではない。

あるジャッジのごひいき選手が4番手で1,2位は全然無理だとしたら、3位の選手だけを落としたいという動機になるわけです。こうすると、このニューズウィーク記事で紹介されている「自国選手びいき調査」では調査できないことになります。


もちろんジャッジのポリシーとしては「国籍を問わず平等にジャッジすべし」です。
たとえ贔屓したい選手がいても、涙を飲んで減点すべきは減点する。
そうやってきちんと点数を出しているジャッジが大半、と信じたい。

しかし、匿名採点故にそれを第三者が監視できないのは、やっぱり変だよなあ。

次回は、実際ジャッジをしている人たちのコメントについて。

 
よかったらクリックしていって下さーい。

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村

*1:「特定のジャッジが極端な点をつけても切られる」ルールはある程度は機能しますが、やっぱり影響はしていると思う。と言う話は長くなるので今度にします。