Dailyscape Fragments

今は「ユーリ!!! on ice」の話ばかり。普段はお笑いやフィギュアスケートの話など。ちらかっててごめん。

Twitter ID: saenishi

マメ知識:ジャッジたちが言っていること

採点方式の見直し、速報レベルでは出てきてますね。
ジャッジ匿名の廃止提案は、却下された模様。
この辺は、公式に公開されてから触れようかと。

その前提にもなる、今までのジャッジの話をしておきまーす。

これまた2010年と結構古くて恐縮ですが、一番参考になった対談記事。
バンクーバーオリンピックショートプログラムでジャッジを担当し、ジャッジ引退を決めたベルギーの方のインタビューです。

国際ジャッジパトリックイベンスインタビュー「完璧に公正なジャッジはまあ10%」
Patrick Ibens Interview | Tony Wheeler's Thoughts in the World of Figure Skating


翻訳している方のブログがこちらに(紹介を許可いただきありがとうございました)。

ある引退するジャッジとのインタビュー - Dreams on - Yahoo!ブログ

ある引退するジャッジとのインタビュー その2 - Dreams on - Yahoo!ブログ

ある引退するジャッジとのインタビュー その3(訂正あり) - Dreams on - Yahoo!ブログ


この元ジャッジの方、新採点方式についてこのように言っています。(翻訳ブログさんより引用)

ジャッジは、匿名になったとはいえ、まだ自分の所属する連盟を怖がっている。自分の国のスケーターを守るために(愛国的偏向)同じくらいのランクのスケーターには厳しくし、自分の好きなスケーターを後押しする。主流から外れることを恐れるジャッジは、レフリーをやるよう招待してくれる国のスケーターを押すし、単に自分が何をやっているかわかっていないものもいる。

 
まず「ジャッジ全員が公正であるかどうか」というのは誰にも断言することはできません。
当たり前ですよね、不正は黙ってするものだから。もしかしたら誰も不正をしていないかもしれないけど証明できない。

上の話は、あくまでこのジャッジの意見にすぎませんが、もしそんな不正など全くないとしたら、彼がこのように発言するメリットはないですね。自分がいた世界を貶めているわけですから。
そういう意味では「完璧に公正なのは10%」というのは非常に興味深い意見です。
ただ彼の話では不正だけではなく「ジャッジの中には芸術的な素養がないばかりでなく、ばかばかしい平均的な点数の範囲をはみ出すことがない者がいるから」という要素も大きいようなので(後述)、短絡的に「90%不正」とか勘違いしないようにしましょう。

あと、全く個人的に思うこととして、少なくとも最後の「自分が何をやっているかわかっていない」人は残念ながらいそう…


好きなスケーターをジャッジするのが難しいかという質問への回答。

正直に言って彼らをジャッジするのに問題があったことはない。ただ一つの理由は私が個人的に彼らを知っていて、彼らも私を知っているということだ。彼らは何か質問があれば私のところに来ることができ、私ができる限り正しい答えを出して彼らを手助けしようとすることを知っているからだ。しかし、スケートのジャッジをする時には、個人的な関係は無いものにして、ジャッジをしなくてはならないし、彼らも彼らにふさわしい評価を受け入れる。良くても悪くても!

 このジャッジの方は、フィギュア界のことをちゃんとお考えなのだなと素人ながらに思います。
もし好きな選手の失敗に甘い点を自分だけがつけても、それは選手のためにならない。公正にジャッジされる前提があるからこそ選手は演技に専念でき、直すべきところを直し、より素晴らしい選手になる。
全てのジャッジがそう考えているなら、素晴らしいことなんですけども。

我々はまた、それ以前の自分の点数もわからないから、うっかりして別のスケーターにより高い点を与えてしまうこともあり得るんだ。いいジャッジならそれを避けるための独自のやり方を持っているけどね。

 
これね!そうなんじゃないかなと思ってた!
ジャッジは試合中、ごくわずかな時間で判定をしなくてはいけない。
ジャンプスピンステップという各エレメンツを採点し、その上でPCSを出す。大変な作業です。
これを理由に「だから不正なんてできるわけないんですよ」と主張する方もいて、それはそれでわかる。
ただ、逆もあると思うんだよね。
なんとなく一つ一つの採点傾向がずれ「あれ?○○選手より上のつもりだったのに…」ってことはあると思う。

ちょっと話が逸れますが、この短時間判定で特定選手を贔屓すること自体は、残念ながら可能だなと思います。
ちゃんと採点すると迷うようなところでも、全部良いほうに倒しちゃえばいいんだもん。ジャンプを失敗したり明らかなミスがあった場合だけ減点。
これはちゃんと採点するよりよっぽど楽。
ただし「○○選手のスコアが○点だったから、それよりちょっとだけ上/下にする」みたいなことは難しいと思う。

この「うっかり」についてはもし詳細が知りたければ原文に例をあげた説明があります。

他、

・意図的なジャッジを依頼されたことは一度だけある。高いレベルの試合ではなく国内選手権。彼は手を染めず、そして2度と招かれなかった
・彼のPCS要素それぞれの定義(興味深い)
・6.0システムも新採点方式も、一長一短。新採点の欠点。ジャッジが平均的な点数の範囲からはみ出すことを避けるようになる。「スポーツ」でなくなってしまう恐れがある。

など興味深い話がたくさんです。一般論だけでなく、バンクーバーのジャッジについても見解が。是非ご一読を。

さて彼は、新採点システムだと平均的な点数になりやすい、という指摘をしていますが、たとえばソチ五輪の女子シングルではどちらかというと逆の話になっていますね。それまで出なかった点がバンバン出ている。
これについては、大変不思議ということになりますが、また今度。

 

今回のタイトル「ジャッジたち」と複数形なのに、一人紹介して終わってしまったw 次回は、他のジャッジのコメントを紹介しようと思っています。

 

よかったらクリックしていって下さーい。

にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
にほんブログ村