Dailyscape Fragments

今は「ユーリ!!! on ice」の話ばかり。普段はお笑いやフィギュアスケートの話など。ちらかっててごめん。

Twitter ID: saenishi

作り手に同情せずにいられない、ジャンプ難易度調整。その1 #ユーリオンアイス #yurionice

さて、書きたいことをつれづれなるままに書いていますが、ここで大前提について触れておきます。

私は『ユーリ!!! on ice』のスケートシーンだけじゃなくてストーリーもキャラクターも作品の世界観まるごと大好きです。そしてフィギュアスケートも大好きです。
観ているとフィギュアスケートの演技やエピソードを思い出し、アニメでは多分表現しきれなかったことを勝手に想像し、リアルのフィギュアスケートを観てはこれをユーリのキャラが滑ったらどうなるかなって想像し、無限ループ状態でこの作品を楽しんでいます。
リアルと違う部分についてのツッコミや推測もその楽しみの一つです。
これらの感情に名前はないけど、あえて愛と呼ぶことにしました!
…なので、決して作品批判ではないことをどうかご了承ください。愛だから!

では今日の本題。
「ユーリ」作中のジャンプレベル、リアルと実に拮抗しているよね。
その一方、スケート普段見る人だと、ヴィクトルの代名詞が四回転フリップなのってちょっとひっかかりませんか。だってフリップより難しいルッツ跳べるのに!
でもこれって本当は、涙ぐましい作り手の調整があったんだと思うのです。

 
「ユーリ」が準備に2年近くかかったというのはあちこちで聞いていますが、それがよくわかるのが、第4滑走でフィギュアの採点について説明するシーン。
背景に使われているプロトコル(スコア)は、実在のスコアを加工したものと推測できます。
元ネタと思われるスコアがこちら。2014/2015シーズンのGPシリーズフランス杯の町田樹選手のSP。

f:id:saenishi:20170125232050p:plain

http://www.isuresults.com/results/gpfra2014/gpfra2014_Men_SP_Scores.pdf

ジャンプ構成とレベルが同じで、GOEも似た数字が多く、PCSの各ジャッジスコアもかなり似ているのがわかります。ただ元ネタの町田選手のTotalスコアは88.70。勇利は82.80と合計は違う。これ、細かいところ映さずに総合得点だけ変えたって大丈夫なのに、わざわざジャッジごとの点数を変えて総合得点を変えてる!仕事が細かい…
このシーン作っていた頃は、選手のプロトコル全部公表できるぐらい詳細に作ろうとしていたのかもしれないなあ…

で、すごく興味深いところが。
勇利の3Aは出来が悪かったという設定らしく、元ネタの町田選手がGOE2.14に対して-2.14なんだけど、そのジャッジスコア。

-2.00     -3.00     -3.00     -2.00     -1.00     -1.00     3.00     -2.00     -2.00

なんかプラス3の人がいるwww
これ、リアルでもたまにあるんですよね。多分押し間違い。
最低点最高点は計算から省かれるとはいえモヤっとするやつ。
こんなあるあるまで作りこまなくていいからwww

ところで、総合得点だけからだったら、もう少し近いスコアの選手はいたと思うんですよね。なぜこのスコアだったかは、原案の久保先生が町田君ファンだからかなー、ぐらいに思ってた。
このシーズンの町田君はとにかくフリーの第九が印象的すぎて、SPって何やったんだったかぱっと出てこなかったんだけど「ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲」だった。


2014 TEB Tatsuki Machida SP B.ESP2

改めて見直したら「…アメィジング!」なんですよ。
勇利の特徴である「音楽を体が奏でるようなスケーティング」ってどういうことか、これ見るとわかる。3A後の振付大好きだなー。
もし見たことなければ、この演技は見て損がないと思います。

勇利の経歴は町田君を思わせるところがあるけど、スケーティングの印象自体はそこまで似ていないな。って「ユーリ」見始めた頃思ったのを思い出した。

しかし最後まで見てたら「信用ならない語り手」ぶりが一番似てたし!!!

と話が逸れてきちゃったけど、押えておきたいのは、これが2014年のスコアだということ。

で、2016/17の現シーズンを参考に貼っておきます。都合により画像はハビで。

f:id:saenishi:20170125232718p:plain

http://www.isuresults.com/results/season1617/gpf1617/gpf1617_Men_SP_Scores.pdf


たとえば4T-3TのBase Value(基礎点)。2014年が14.40に対し、2016年は14.60になっています。あとProgram Componentsの表記が変わっていて、

Transition/Linking Footwork→Transitions
Interpretation→Interpretation of the Music
になっていると。普段こんなとこ細かく見ないから今気づいたんだけどさ。

つまり作り始めた頃が、2014年GPシリーズぐらいだったという仮定が成り立つわけです。フィギュアの採点システムは五輪シーズン以外もちまちま変わるので、あまり細かく設定してもアニメが放送される頃は成り立たなくなる恐れがあるわけです。大変!

さて。2014年GPシリーズあたりのジャンプレベルってどんなもんだったか?
ちなみに2014年2月がソチ五輪ですね。羽生選手が金メダルを獲り、2014年3月の世界選手権は羽生町田のワンツーフィニッシュ!得点差0.33という歴史に残る大会でした。もうそんなに経つのか…。
フィギュアシーズンとしては、2014年GPシリーズは翌シーズンということになります。傾向をざっくり見るのに、2014GPFを参考にみてみます。SPのプロトコルから、

http://www.isuresults.com/results/gpf1415/gpf1415_Men_SP_Scores.pdf

ジャンプだけピックアップすると
1位 羽生                     4T 3Ax 3Lz+3Tx    TES 51.11 PCS 43.97 total 94.08
2位 町田                     4T+3T 3A 3Lzx      TES 45.32 PCS 42.50 total 87.82
3位 コフトゥン         4S+3T 4T 3A         TES 46.94 PCS 40.08 total 87.02
4位 ヴォロノフ         4T+3T 3Ax 3Lox    TES 45.90 PCS 38.58 total 84.48
5位 フェルナンデス 4S 2Lz+3T 3Ax      TES 40.22 PCS 40.96 total 79.18
6位 無良                     4T 3A 3Lz+3Tx       TES 40.98 PCS 38.37 total 78.35
となります。

4T単独は必須だけど、4Sを跳べる選手はまだまだ少なかった(羽生君はフリーで4S決めてますね)。SPのトータルはトップ選手でも80点台で普通だった。

この背景からすると、勇利のSPスコア82.80ってなかなか絶妙!

しかしこの後リアルフィギュア界では…って大分この記事長いな。続く。

 

このあと2014の町田フリー第九を見たくなったのでこの辺で!

あえてスケートアメリカ。こうして見ると本当に、点数を二の次にした、作品完成度重視のプログラムだな…涙


Tatsuki MACHIDA 2014 Skate America LP


 

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