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世界最高峰の演技をありがとう~浅田選手の世界選手権2014SPを振り返る

お久しぶりです。
スターをくれた方もいて、ありがとうございます!

もう大分経ってしまったのだけど、ちゃんと書いておきたかったので。

2014年の世界選手権、女子SPを生観戦することができました。
(男子やペアも観戦しましたが、ここでは一旦割愛します)

生観戦なんて贅沢、普段は手を出しません。
ただ、歴史的な女子フィギュア選手である浅田真央の現役時代をずっと追ってきたファンとして、今回はどうしても見たかった。
もちろんフリーも見たかったけど、より好きだった「ノクターン」を見ることを選びました。

座席はA席。さいたまスーパーアリーナという巨大な会場なのでそう近くはない。表情の微妙な変化や、エッジの動作までは追いきれない。その辺はテレビの方が見やすい。

でも、本当に観戦してよかった。


6分間練習。
当然ながらの大歓声。

遠くからでも、彼女は落ち着いて調整しているように見えた。

プログラム冒頭、3Aへの構え。
難なく跳んだ。歓声があがる。
素晴らしいジャンプだったけど、これは2Aだった。
2Aだけど他の3回転とあまり変わらない迫力があったから、特にビギナーも多い観客が間違えて歓声を上げたのも無理はない。
私はたまたま前日男子の試合を見ていて、3Aってこうなんだ、とわかっていたけど、そうじゃなきゃ私も間違えたかもしれない。

もう一度向かって2A。
そして最後、3Aを跳んだ。
この時点でもう、大歓声。

そして本番でも、浅田選手は3Aを跳んでくれた。

女子SPを通して見ていると、後半の上位選手達はやはり上手い。
高難度の3-3は迫力があるし、素晴らしい。

でも、浅田選手の3Aは、なんていうか、格が違いました。
他の選手と違うカテゴリーの技術にトライしている。
女子では他にありえない力強さ。
でも、前後の所作は優雅でスムーズ。
男子の3Aとは印象が違う。

比類なき美しさでした。

五輪の一つ前のシーズン、序盤まで3Aなしで勝っていく浅田選手を見て、
「3Aなんて無理に入れてもきっと回転不足取られるし、他のエレメンツを完璧にしてくれればいいのに」
って思ってた。
でも、五輪シーズンを通じて、そしてこの試合ではっきりわかりました。

こんなに素晴らしいものを見せないなんて、もったいない。
跳ばないなんて選択肢、最初からなかったんだって。

3Aだけじゃない。全てが美しかった。
他のジャンプもスピンもステップも…いや、要素をいちいち分けて語るのはもう無粋なくらい。

表情のディテールは実際には見えないけれど、彼女の動きで表情が、表現したい感情がわかる。
リンク全体を見渡せることで、彼女の演技の軌跡から余韻を感じる。

音楽を表現する選手、ではなくて、彼女が音楽のようだった。
ノクターン、そのものだった。
薄紫色の花びらが風と戯れて氷上を舞うかのような軽やかさ、優雅さ。
憂いをアクセントとしつつも喜びに溢れた世界。

その滑りは、他の上位スケーターたちの中でも、群を抜いているように私には感じました。
圧倒的だった。

世界最高の演技を見ることができて、本当に幸せでした。

真央ちゃん、ありがとう。

浅田選手、今季休養を宣言しましたね。
是非ゆっくりしてほしいと思う。

彼女が目標を見つけられない、という気持ちはとても納得できる。
だって今、世界最高峰だもの。上にいないもの。

もし休養中、全く違う何かを見つけない限りは、進む道はプロスケーターか、競技選手に戻るかということになる。
もう彼女には
「○○選手みたいになりたい」
とか
「○○ができるようになりたい」
は、途中経過として目指すことがあっても、大きなゴールにはなりえないよね。

個人的には「どうしても氷上で表現したい何か」を見つけてほしい。
それがアイスショーで実現できることであれば、堂々とプロスケーターとして活躍してほしいし、どうしても競技で見せたいのであればそれもよい。

日々の生活を楽しむことが、どの道を行くとしてもきっと糧になる。
メディアの皆様にはぜひとも、彼女のプライベートを追いかけず、ゆっくりさせてあげてほしいなあ。

さて、次回はリプニツカヤ選手のはなし。



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